★キャラクター全身図、デザイン解説



【森羅/シイラ】
オーソドックスなカルい男性の代表格です。
元々がアメリカ映画の旧き良きヒーロー像をイメージして作られたキャラクターであり(ハリソン・フォードとか)、妙に軽口が多かったり馴れ馴れしかったりするのはそういうノリの意識もあります。
人を叱れる人間であり、ラウンジの面子が子供であるとして、それを眺める教師といった具合です。

主役なのにアースカラー。地味です。
服の色合いとしては本来緑系が好ましいのですが、他に二人も緑がいるのでブラウンに変更しました。
緑部分はちょっとした潤い成分程度です。
ネックのパーツは司令用パルス追跡機(飛行機のブラックボックスのようなもの)であり、彼の趣味ではありません。



【クルツワード】
理解から遠いキャラクターです。この子に関する情報は欠落が多く、見た目から推し量れる情報も確かなものが多くありません。
性別不明が最も割合の高いコンセプトです。見開いた目は不気味さ、A型のシルエットはお化け、ベルトやブーツは攻撃性と拘束を示しています。その中に髪型やリボンなどのちょっとした可愛さがあります。

会話には皮肉が多く、ある程度の頭は回ると思われますが、白痴に似た言動もあることからそれも頼りになりません。
基本的に他のフリークスからの情報をもとに、パズルのように完成させていくしかないのです。



【グラムグナッシュ】
ファッション誌からつまみ上げたようなイメージです。衣装は常に現実的で、態度は常にありがちに。必要以上に主張しません。
他に比べセクシュアルな部分も多く持ったキャラクターで、駄目な男のなよっとした色気のようなものを意識しています。
彼の服はギガダークという架空のブランドのもので、特に口には出しませんが、そういった男性的なこだわりも垣間見えるキャラクターです。

ラウンジの中では比較的まともな人間ですが、深い角度で見ると非常に卑怯でもあります。フリークスであることを嫌がりながらもその恩恵には手を出す。それでも彼が嫌われる事無く過ごせるのは、しっかりとした会話ができ、頼れる人間性を持っているお陰です。そして彼もそのことに気がついてはいるのですが、ネガティブさだけは治しようがないと諦めています。



【夏龍/シャルーン】
キャンドルボウイが閉じた輪なら、彼は断ち切られた糸です。暗い未来に歯向かう強靭さと、砕け散りそうな脆さを持っています。
民族衣装、長髪、呪術、槍など全体にファンタジックな要素が多く、時代背景に非常にミスマッチです。彼は過去に固執し、飛龍のように新しいものを取り込む勇気がありません。それらを捨てられない限り彼は弱く、そしてそれらを護るために強くあれるのです。

心象と現実感を結ぶ為に料理が出来たり銃も扱えるようになっています。けれど基本はやはり中華ファンタジーで。グラムグナッシュとはまた違った、脆さから来る魅力、美しさのようなものも意識しています。



【飛龍/フェイロン】
見たとおり、人を翻弄するミステリアスでナルシスティックなキャラクターです。ただしその対象は自分ではなく、分身に向けられています。
民族衣装を着ていますが、しばしばバイザーやヘッドホンを着けたりして随分とミスマッチです。というか、その取り合わせを楽しむというコンセプトもあります。
夏龍に対して彼は都会っ子と言えなくもなく、時に傲慢な態度に出るのはその急進的なイメージの現われです。

本当は仲間思いの常識人ですが、その枠に囚われていると何も出来なくなると悟っています。本心を眼鏡で隠し、敢えて憎まれ役を演じている節もあります。



【キルチェ】
典型的なパンクガールです。自分の趣味でしかありません。
ただしナカミの方は全く別物です。
一番コスチュームの幅が広いキャラクターでもあります。
彼女は深く付き合わないと見た目そのものの「只のアホっぽい子」ですが、時に思わぬ深い言動をポロリと漏らします。外観と中身のギャップにギクリとさせられるような、目測を見誤った時のような感覚が彼女の正体です。
ここでゴシックパンクと一線を画したいのは、自信という点です。自らに対して不安がちなゴスパンクに対し、彼女は自然に自分の自信を主張します。迷いはありません。

パンクというのはアンダーグラウンドと深く結びつき、そして反政府の象徴でもあります。ある意味ではフリークスらしいフリークスと言えます。



【キャンドルボウイ】
可哀相を絵に描いたような少年です。最初の段階ではギプスも嵌っていました。特に骨折の要因がないので排除しましたが。

出来うる限り簡素に、不幸せ的に、痛々しく、がモットーですが、本質的に彼の中にある不気味さ、暗さ、諦念なども滲んでいればいいなと思います。

本来は髪が無い方が良いのですが、そこまですると逆にグロテスクさの方が目立ってしまうため前髪のみ有です。背面から見てマッチ棒に見えるのが理想です。



【MMR−MUR】
重要なキーワードは『年齢ギリギリ』。キルチェを大人にしたバージョンです。自らも限界を悟りながら、それでもスタンスを捨てるそぶりは一向に見せない、諦めの悪さを持っています。そのくせ他の事柄に対してはかなりドライであり寛大で、ある意味で自分の世界に閉じこもったままのキャラクターです。
ただしそれは趣味、プライベートに限った部分であり、仕事に関しては妥協しません。迷いながらもリアルを強く見つめて自分が良いと思う道を進みます。結果、それ相応のカリスマ性と病的な嗜好を手に入れています。
自分を楽天的に見せる術に長け、本心を隠すくせに影で理解者を求めています。そして、手を差し伸べられないと思った途端、絶望と共に自らの思考の正しさに満足する、ある種自虐的な部分もあります。



【葬式屋ルドログ】
いわゆる『道化』です。外観は好みでざっくりと。訳あって操り人形のような不自然なバランスの体型です。道化のみではなく、マジシャンや大道芸人のオンとオフを意識しています。オンの時はサービス過剰ですが、オフの時は完全にオフ。人と必要以上に接触しません。ネタはバラさず、一所にとどまらず。

彼は『大人』側の人間で、他のフリークス達と違い他人からの理解を全くと言っていいほど求めていません。足取りに迷いはなく、人間性というより対価によって他人からの信頼を得ようとします。そういう意味ではビジネスマン的な要素も多く含んでいます。
味方につけたと思っても、彼は必要以上に寄り添わず猫のように気まぐれです。ある一定の壁を建て、時に非情な態度に出ることもあります。が、気に入った人間に対しては彼なりの敬意を払って接しているようです。




【キリコネグネリア】
根は非常に奔放なキャラクターです。他の女性キャラクターが『恋に恋をしている』状態である中、彼女は愛というものを糧に生きています。幼少時から兵器として育てられ、多少のフリーク的な歪みはあるものの、非常に正直に物を言い、自分でも意識せずシンプルに感情のままに行動します。
愛したい、愛されたい、必要とされたい。声を大にして言いにくい欲求をためらいなく口にします。一方から見れば考えなしで幼稚ですが、それは人間としてイノセントな状態でもあります。

外観イメージは別の物語の『ネビュラ』というキャラクターをほぼそのまま引き継いでいます。拘束や内向的な感じが欲しかったので着膨れしていますが、結果的に雪国なので丁度良かったです。
あと、じつは登場人物で一番美人という裏設定もあります。笑